シュラッター図って分かりづらい
標準原価計算の勉強をしていてなかなか覚えられず、苦労しています。
製造間接費の差異の種類を覚えるのがなかなか大変です。
そんな苦労に拍車をかけているのがシュラッター図です。
わかりやすく表現しているのですが、どうにも取っ掛かりにくい。
突然出てきたこの図がより理解の妨げをしている気がしてきました。
ちゃんと読み解いていくと求めようとしている場所が図示されている事がわかります。
そうです。
抵抗感なくちゃんと読み解ければシュラッター図はとてもわかり易い図なんです。
抵抗感をなくすにはどうすればいいのか考えたら、普段親しんでいるExcelのグラフを使って同じものを作ってみたらシュラッター図の構成や各々の線の意味することがわかるかもしれないと思いました。
まずは例題
標準製造間接費
標準配賦率 @2,500
標準直接作業時間 3時間
変動予算
変動費率 @1,000
月間固定予算額 90,000円
月間標準操業度 600時間
当月生産実績
当月生産量:190台
実際操業度:590時間
製造間接費当月実際発生額:1,505,000円
最初に答えを算出する
なにをするにもまずは答えを算出します。
今回は問題の解き方ではないのでサクッと解決します。
与えられている値を入力、結果を計算させます。
あゝ
なんて簡単なんだろう・・・
しかし作っていくと動きがよくわかるようになってくる
これだけでもやってよかったかな
ぱっと思いつく折れ線グラフ
ここからが本題
グラフを作ってみたいと思います。
シュラッター図は折れ線グラフで作るのが簡単かなと思い折れ線グラフで挑戦してみます。
折れ線グラフにするための情報を先ず作ります。
この方法が正しいのか疑問に思いながら基準操業度600まで作成します。
600までデータを作りました。
事前に算出した値と一致しているので答えがあっていることが確認できました。
グラフの作成
作成したデータを範囲選択した後、挿入タブの折れ線グラフを選択します。
はい。できました。
実際の値に紐付いた線を描画することができました。
散布図を作ってみる
折れ線グラフには欠点があります。
それは縦・横線を引くことができません。
あと与えられた値に対して都度データセットさせる必要があります。
2軸にすることでできるかもと思って、色々挑戦してみましたが、なかなか思ったようにならなかったので別の方法を取ります。
ここで表題にある通り、「散布図」を使って描画します。
散布図はこんな感じのグラフですが、実はいろいろなことができる、調教しがいのあるグラフなんです。
横線を引いてみる
先ずこんな値を入力してみます。
作ったセルを範囲選択したら、挿入>散布図(直線とマーカー)を選択します。
すると
横線を引くことができました。
今回は支店、、、もとい始点終点のポイントは必要ないので事前に消しておきます。
ではグラフ上ではどんなデータが生成されているか確認してみます。
グラフを選択した状態でデータの選択をクリックします。
データソースの選択が表示されます。
凡例項目(系列)にある固定費予算額を選択し編集を押してみます。
系列の編集という画面が出現します。
動きの解説をすると
系列名は線の名前になります。
固定費予算額を名前にしたいのでF7列を指示ます。
系列Xの値は横方向(X軸)の線の範囲を選択します。
この場合はG6~H6の範囲を選択して始点0から終点600の範囲指定をします。
系列Yの値は縦方向(Y軸)の線の範囲を選択します。
この場合はG7~H7の範囲を選択して始点900,000から終点900,000の範囲指定をします。
すると先程表示された横軸の線が表示されます。
縦線を引いてみる
横ができるので縦もできます。
基準操業度のグラフを作ってみます。
事前にこんな形にデータを作ってあげます。
先程作成したグラフを選択し>データの選択をして凡例項目の追加をクリックします。
系列の編集が表示されます。
系列名を選んだらF4セルを選択します。
こんな感じで反映されます。
系列Xの値を続けて選択します。
その後G3-H3を範囲選択します。
最後に系列Yを選択し、{1}を削除後に系列X同様にG4-H4の範囲を選択します。
設定後にOKをクリックするとグラフが追加されます。
OKを押す
縦線がかけました。
斜め線を引いてみる
縦横の線を引くことができればあとは簡単です。
予算額の線を引いてみたいと思います。
予算額の求める値はこんな感じになります。
前述のやり方で系列の追加をおこないます。
グラフになりました。
こんな形で求めたい線を引きまくります。
実際操業度
何回か系列の追加をすると今回作成している散布図の動きが何となく中ってきたと思います。
標準間接費を求めます
実は標準間接費はX軸に触れていないんです。(Yが0という意味
つまりYの値を予め計算させてあげる必要があります。
ただそんなに難しくなく
標準間接費は簡単に求めることが可能です。
そしてこれまでと同じ形のセルが完成したらほぼ完成です。
こんな形で指定すると
こんなグラフが完成します。
・・・
そんなに見やすくないですけどね・・・
勉強や試験などではデフォルメされたグラフのほうが何千倍も算出しやすい事になりました。
とはいえ任意の値を使って自由に折れ線よりも高度な線を引くことができました。
この間のグラフの制作過程でシュラッター図の理解が深まったのは事実です。
手元にExcelなどがある人は時間のある時に作って理解を深めるのもいいのかも知れません。
最後に今回使ったデータを載せておきますので、検算などに使ってみてください。